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2013.11.08|自然環境 
マダラコウラナメクジ

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またまたご無沙汰です。自然環境の興野です。今回はナメクジの話のです。
苦手な方は写真を見ないようにしてくださいね(一応本体にはモザイクをかけてあります)

一般的に、カタツムリやナメクジなどの陸生の軟体動物は自分自身での移動能力はかなり低くて、川一本やちょっとした裸地などがあるだけでも渡って行くことができないので、同じ種でも地域によって異なる形や性質を持っている例もよく知られています(北海道のヒメマイマイの地域変異はすごいです)

ところが、ヒトがいろいろな植物を動かす(野菜の他、苗や植木など特に土と一緒の場合が多そう)ことで、卵や子どもが簡単に運ばれてしまう(小型の種類では親貝も)ため、国内・国外から様々な種類が持ち込まれ、あるいは持ち出しされているようです。

例えばコハクガイ、チャコウラナメクジは北海道ブルーリスト*にも載っていて、このチャコウラナメクジは札幌の近郊でも一番普通に(見たくないけど)見られます。

こんな状況の中、今年になって北海道に強力なニューフェイスが加わってしまいました。巨大でヒョウ柄のマダラコウラナメクジです。ヨーロッパ出身で、茨城や長野あたりには侵入して話題になっていたのですが、札幌の円山付近で発見されました。北海道では初の公式記録です。

大きいです。

この写真の状態は少し縮んでいるところなのですが、それでも8cmくらいはあります。伸びきれば10cmを超える個体です。
ショックが大きいのでこのブログではこれ以上の姿は載せませんが、モザイクなしの姿を見たければ「マダラコウラナメクジ」、あるいは学名の「Limax maximus」で検索してみてください。

このナメクジについて、少なくとも僕の知る範囲では、去年の秋に札幌の円山で写真がとられていますが、今年は大きなものが何個体も見つかっています。特に朝早く円山に登っている人たちは結構見ているらしく、特にキノコを食べているところをよく目にするとのことです。
この秋には移入を規制する専門機関である横浜植物防疫所札幌支部による調査も行われました。

この札幌産マダラコウラナメクジを標本にしようと思い、一匹手に入れました(マダラ君と呼ばれてます)。しかしあまりの迫力に、すぐに標本にするのがもったいなくなってしまい、しばらく飼ってみることにしました。

もったいないだけでなく、カタツムリやナメクジは雌雄同体なのでもしかしたら自殖(自分の精子で自分の卵を受精させる)かもしれないと思ったためでもあります。もしそうだとすると、1個体入り込んだだけでもどんどん増える恐れがあるので外来種としてはより警戒しなければならない存在ということになります。

もしかしたらうちのマダラ君は捕まえる前に交尾していて、その精子を体内に持っているかもしれないので、自殖で増えことを確かめるためには単に卵が産まれて孵化することを確認するだけでは不十分です。

生まれた卵から孵った子供を一匹ずつ飼育して、そのまた子供が生まれることを確認しなければならないので、本気でやるなら長期戦です(が、今回はおためし程度のつもり←腰が引けてます)。

2か月弱飼育していたところ、11月3日になって産卵しました。
 

さすがにびっくりするほど大きい卵です。このサイズでは孵りたての子ナメクジであっても、小型の種類の親ほどの大きさがあるかもしれません。
ただ、一般的にナメクジやカタツムリの卵は丸いのですがこの卵は形も細長く、へんてこです。ネットで調べてみたところ、やはりきちんと丸い形の卵を産むようです。交尾していないということ以外に、たとえば与えた餌が悪かったのかもしれないのでこの原因を特定することはできませんが、孵化する可能性はかなり低そうです。もうしばらく卵の観察は続けますが、マダラ君もだいぶお疲れのようなのでこのプロジェクトは近いうちに終了する予定です。

マダラコウラナメクジに関しては、農業被害といった面だけでなく、そのキモチワルサから話題に取り上げられることも多いかもしれません。でも、たとえホタルのように人気のある生き物であっても、人為的な移入によって地域ごとの個性ある本来の生物相(生物の種の組み合わせ)や生態系が損なわれてしまうことには変わりありません。今後外来種問題は、どんなに手を尽くしても悪化していくことが予想されます。意図的な導入や、特に目立つ種類については規制や駆除などの対策が効果を上げる場面もあるでしょうが、ヒトや物が移動する限り、残念ながらこの問題全般についてのコントロールは難しそうです。

*北海道ブルーリスト
北海道が選定している、道に入っている、あるいは入ってくることが心配される国内・国外外来種のリスト。2010版が最新。
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